2024年7月19日、クラウドストライクによるシステム障害でWindows 10とWindows 11が、停止するという全世界的なシステム障害が発生し、航空会社や銀行など多くの業界で経済的な被害がありました。
原因は、クラウドストライクによるセキュリティソフトウェアのアップデートファイルに不具合があったことによるものです。
この出来事から、システムの脆弱性やトラブルへの対応の重要性が改めて浮き彫りになりました。
そして、日ごろ使用しているパソコンへのセキュリティ対策の重要性をあらためて認識した方も多いと思います。
そこでこの記事では、セキュリティソフトの中でもアンチウイルスソフトに焦点をあて、概要やおすすめの無料のアンチウイルスソフト、無料版と有料版の違い、ウイルスソフトの選び方などについて紹介します。
この記事をとおして、セキュリティソフトの理解を深めていただければ幸いです。
ぜひ最後までご覧ください。
セキュリティソフトとは?
セキュリティソフトとは…
コンピューターを悪意ある攻撃から守り、その脅威を検知・除去するソフトウエアの総称です。
主にコンピュータウイルスやスパイウェアなどを検知・除去するアンチウイルスソフトや、ネットワークを通じて不正アクセスなどを防ぐファイアウォールソフトがあります。
セキュリティソフトをインストールすることにより、システムが外部から攻撃されるのをリアルタイムで阻止し、個人情報や機密データの漏えいを防ぐことができます。
以前は、アンチウイルスソフトのように特定の機能に特化した製品が一般的でしたが、最近ではひとつのソフトウェアで総合的にセキュリティを強化することのできるセキュリティソフトも普及しています。
無料のアンチウイルスソフト5選
今では、コンピューターを悪意ある攻撃から守るためにセキュリティ対策は必須となっています。
ここでは、オススメの無料アンチウイルスソフトを5つ紹介します。
導入を考えているけれど、たくさんあって選べないという方や、有料版の購入を考えているが、まずは無料で試したという方は是非、参考にしてください。
1.アバスト無料アンチウイルス
最初に紹介するのは、世界中に4億3500万人以上のユーザーがいる「アバスト無料アンチウイルス」です。30年の実績を誇るとても評価の高いアンチウイルスソフトです。
無料版では主に、ウイルスやマルウェアの検出、Wi-Fiネットワークのセキュリティの弱点をスキャン、ランサムウェア対策の機能があります。特に業界でも先進的な脅威検出のネット―ワークの1つである、機械学習によるウイルス対策が特徴です。
2.Avira Free Antivirus
次に紹介するのは、「Avira Free Antivirus」です。
開発しているAvira社は35 年以上オンライン セキュリティ分野での実績があります。
無料版ではウイルススキャナだけでなく有害なウェブサイトをブロックするセーフブラウジング機能や、悪意のある侵入型の広告の読み込みを防止する広告ブロッカーの機能があります。
このウイルススキャナには高度な機能が含まれており一年で9,000万以上のファイルを修復しました。
3.キングソフトセキュリティPro
続いて紹介するのは、「キングソフトセキュリティPro」です。
中国の珠海豹趣科技有限公司が開発した全世界で1億人以上のユーザーがいるセキュリティソフトです。
お使いのブラウザのスタートページを「StartHome」というページに設定することで、有料ソフトと同等のサービスを利用できるのが特徴です。
主な機能として、ウイルススキャン、システムの動作が遅くなる問題を検出するPC加速、ブラウザ拡張機能で追加するフィッシング対策機能、ランサムウェアの保護などがあります。
特にフィッシング対策機能は、毎月30,000件以上の国内外のフィッシング詐欺のサイトデータを更新して世界中のフィッシングサイトをブロックしています。
4.AVG 無料アンチウイルス
4つめに紹介するのは、「AVG 無料アンチウイルス」です。
世界中の4億3500万人のユーザーが高く評価し、様々な受賞歴のあるアンチウイルスソフトで、過去2年間で最高評価製品やマルウェア対策などの賞を25件も受賞している世界クラスのセキュリティソフトです。
6層のアンチウイルスセキュリティは、ファイルやアプリをスキャンし、マルウェアやセキュリティの脆弱性の可能性を発見し、潜在的な脅威が発見されると警告がでます。
5.Windowsセキュリティ Windows Defender
最後に紹介するのは、Window 10と11にデフォルトでインストールされているWindowsセキュリティに含まれている「Windows Defender」です。
主にマルウェアやウイルス、セキュリティの脅威をスキャンしてリアルタイムで保護します。
外部の脅威からデバイスの安全を守るため、定期的に更新プログラムが自動でダウンロードされます。
別のアンチウイルスソフトがインストールされている場合は、自動的にオフになります。
アンチウイルスソフト無料版と有料版の違い
ここまでおすすめの無料アンチウイルスソフトを紹介してきましたが、無料版と有料版の違いについて気になる方もいらっしゃると思います。
ここでは無料版と有料版の主な違いについて紹介します。
運用サポート
まず運用サポートに違いがあります。
無料版では何か困ったとこがあった時に、カスタマーサポートに連絡して解決することができません。ユーザーコミュニティのような掲示板で相談するなど自分で調べて問題を解決する必要があります。
有料版では、電話やメール、チャットなどで相談してすぐに解決することができます。
機能制限
次に無料版では一般的にウイルス検索や駆除などの基本的な機能しか提供されていないことが多いです。
ファイアウォールやスパムメールの検出機能、フィッシング対策などの高度な機能は有料版のみの提供となっています。
ウイルスの検出率
ウイルスの検出率にも違いがあり、多くの有料版では検出率がほぼ100%に対し、無料版では最高でも99.5%と言われています。
コンピュータウイルスは日々、膨大な種類の新種や亜種が発生しているため、1%に満たないわずかな検出率の差でも大きなリスクにつながることがあります。
広告表示
最後に、広告の表示の有無にも違いがあります。
無料版では起動時や操作をしているときに広告が表示されます。
ポップアップで広告が表示されることがあるため、ストレスを感じることもあるかもしれません。
また、広告を表示することによって操作や動作が重くなる場合もあります。
有料版では広告が表示されないので、動作も軽く操作しやすくなるでしょう。
セキュリティソフトの選び方
この記事で紹介した無料のアンチウイルスソフト以外にもウイルスソフトはたくさんあります。
有料版もあるのでたくさんありすぎてどれにしたらいいか迷ってしまう方や、どれを選んでいいかわからない方も多いと思います。
そこで、ここではアンチウイルスソフト選びのポイントをいくつか紹介します。
主要な第三者機関の検証結果を参考にする
アンチウイルスソフトの検証をしている第三者機関の結果を参考にしてみるのも一つの方法です。
主要な第3者機関には「AV-Comparatives」、「AV-TEST」、「SE Labs」などがあります。
テストの実施時期やウイルス検出率だけでなくその他の項目も確認し総合的に判断しましょう。
動作の軽さを確認する
アンチウイルスソフトはパソコンで作業をしている間、常時動作しているため、動作の軽さを確認することも重要です。また、ソフトによってはパソコンの起動時間も大きく変わってきます。
まずは、この記事であげた無料のアンチウイルスソフトをインストールして、動作確認をするのもよいでしょう。
費用を比べる
有料のアンチウイルスソフトは更新期間やインストールできる台数によって料金が異なります。
他のアンチウイルスソフトと比べてみて自分に合った料金のものを選ぶことが大切です。
サポートの充実度で選ぶ
パソコンの知識が少ない方は、サポートの充実度で選ぶのもよいでしょう。
有料版と無料版の違いで説明した通り、無料版では自分で問題を解決しなければなりませんが、有料版では電話やメールでサポートを受けることができます。
セキュリティソフト以外のセキュリティ対策
ここでは、セキュリティソフトをインストールする以外の主なセキュリティ対策について紹介します。
ログインなどで使用するパスワードは、予想されづらく複雑なものにし、定期的に変更することが大切です。
また、不審なメールを受信したら開かずに削除する習慣もつけましょう。間違えても添付の実行ファイルや記載のURLをクリックしてはいけません。
アンチウイルスソフトの更新だけでなく、Windows アップデートなどを有効にしておき、常に最新のOSを使用することも大切です。
まとめ
本記事では、セキュリティソフトの概要からおすすめのアンチウイルスソフト、その選び方について説明しました。
2024年7月19日クラウドストライクによるシステム障害の発生から日頃のセキュリティ対策についてあらためて考えた方も多いと思います。
セキュリティソフトに詳しくない方や、あらためてセキュリティソフトを見直したい方も、まずはこの記事で紹介したおすすめの無料アンチウイルスソフトをインストールすることからセキュリティ対策を始めてみてはいかがでしょうか?