録音された音声データを議事録やノートに書き出すことを「文字起こし」と言い、昨今、会議の議事録作成や大学の講義など、長時間に渡る会話の文字起こし作業を AI に任せる時代が到来しています。
文字起こし AI は、ボイスレコーダーを用いて人力で文字に起こしていた作業時間を大幅に短縮できる革命的なイノベーションですが、数多くの製品からどれを利用すれば良いのか悩む方も多いでしょう。
まずは無料で利用できるものを実際に使って体感して欲しいため、今回は、無料で利用できるおすすめのサイトやツール5選とツール・サイトの選び方をご紹介していきます。
ぜひ最後までご覧ください。
【完全無料】文字起こし AI 無料ツール おすすめ6選
MyEdit
価格/利用可能時間 | 毎日付与されるクレジットを使って無料で音声から文字に書き起こすことが可能。 ※クレジットは別途購入が可能。 |
最大ファイル長さ | 60 分 |
言語対応 | 英語、日本語、中国語(繁体字)、韓国語、イタリア語、フランス語、ドイツ語、スペイン語、ポルトガル語 |
対応入力ファイル | MP3、WAV、FLAC、M4A |
対応出力ファイル | txt、srt |
アプリのインストールが不要で、ブラウザから利用できるクラウドソフトのため、デバイス問わず利用できるメリットがあります。
また、対応入力ファイルをアップロードするだけで文字起こしを利用できる手軽さが便利でおすすめです。
生成後はタイムスタンプも表示され、出力前に自分で修正することできるのが魅力です。
Notta
価格/利用可能時間 | 無料版:120分/月 ※アカウント作成後3日間はトライアルで有料プラン扱いとなる |
最大ファイル長さ | 5分 |
言語対応 | 58言語対応 |
対応入力ファイル | wav、mp3、m4a、caf、aiff、avi、rmvb、flv、mp4、mov、wmv、wmaなど |
対応出力ファイル | mp3、txt、docx、srt、pdf、xlsx |
入力ファイル、出力ファイルが豊富な点、58言語に対応と高い機能性が魅力のnottaですが、無料プランだと、最大ファイル長さが5分・月120分までと利用可能枠が小さいのが特徴です。
そのため、文字起こしをメイン業務ではなくこまごまと使うユーザーにはおすすめです。
CLOVA Note
価格/利用可能時間 | スマホ:無制限 PC:月300分無料 ※ユーザーデータ取得に同意するで600分無料 |
最大ファイル長さ | 180分 |
言語対応 | 日本語、英語、韓国語、中国語(簡体字/繁体字) |
対応入力ファイル | m4a、mp3、aac、wav、amr |
対応出力ファイル | txt、docx、srt、xlsx |
CLOVA Noteは基本的にブラウザから利用できるクラウドソフトのため、デバイス問わず利用できるメリットがあります。
LINE社が提供している文字起こしサービスで、スマホからの利用は無制限となっているため、文字起こし機能を多用するユーザーにもお勧めできます。
Speechy Lite
価格/利用可能時間 | 無制限無料 ※有料アプリで広告排除 |
最大ファイル長さ | なし |
言語対応 | 88言語対応 |
対応入力ファイル | 録音のみ |
対応出力ファイル | 出力不可 |
iOSアプリの「Speechy Lite」は無料で無制限の文字起こしに対応できるのが魅力のサービスです。
しかし、「Speechy Lite」はアプリ内でのみの利用となる点がネックとなります。
また、入力は録音のみ、出力は不可(アプリ内でテキストを確認できるのみ)となっているため、単純に会議や講義を文字に起こして保存しておきたい方に向いているアプリです。
PCでの使用は不可でその他サービスと連携するのが困難な点に注意が必要です。
Googleドキュメント
価格/利用可能時間 | 無制限無料 |
最大ファイル長さ | 半角102万文字まで |
言語対応 | 約100言語対応 |
対応入力ファイル | 録音のみ |
対応出力ファイル | docx |
Googleの提供しているGoogleドキュメントに会議や講義の文字起こしをすることができます。
Googleドキュメントの文字起こしは、マイクを使用して行うため、講義などの広い会場で他人の声を拾うことに長けていない点に注意が必要です。
大手ならではの安心感と、精度の高さが魅力的な文字起こしツールです。
Transcope(トランスコープ)
価格/利用可能時間 | 無料版/5分間 |
最大ファイル長さ | 5分まで |
言語対応 | – |
対応入力ファイル | 音声ファイル / 録音 / YouTube音源 |
対応出力ファイル | 文字データ / HTML |
シェアモル株式会社が提供している AI ランディングツール「Transcope(トランスコープ)」では文字起こしを行うことが可能です。
無料版だと利用時間は短いですが、対応入力ファイル形式が豊富な点や、AIランディングツールならではの繊細な要約な可能な点が魅力的な文字起こしツールです。
文字起こし AI の仕組みとは?
文字起こし AI は、AI による音声認識を活用した音声テキスト化システムを指します。
実際にどのような仕組みで音声をテキスト化しているのか、詳しく見ていきましょう。
音声をテキスト化するまでには、上記画像のような手順を踏んで行われているとされています。
簡単な流れは下記の通りです。
1.音声を録音データとしてデータ化
2.波形の分かる音響データに変換
3.すべての波形に対し音響モデル(波形の形)を採取
4.各音響モデルごとにどの発音か分析
5.前後の単語関係を考慮しテキストに変換
簡潔に説明すると単純な構造に思えるものの、文字起こし AI の処理にはかなり複雑なシステムが実行されています。
また、4~5の処理をする際、前後の単語の関係を考慮してテキストに変換されていますが、処理の関係上、発音した音の形状から予想してテキストに変換しているため、同音異義語や、専門用語、新出ワードなどに弱くなってしまう点に注意が必要です。
文字起こし AI を利用するメリット・デメリット
文字起こし AI を利用するメリットとデメリットは以下の通りです。
メリット
- 高速性と効率性
AIを利用することで、人手による文字起こしよりもはるかに高速で作業を進めることができます。AIは大量のデータを素早く処理し、迅速に文字起こしを行うことができます。 - 24時間対応可能
AIはいつでも利用できるため、24時間体制で文字起こしを行うことが可能です。
人間の作業時間に制限されず、必要なときにすぐに文字起こしを依頼することができます。 - コスト削減
AIを利用することで、人手による文字起こしに比べてコストを削減することができます。
人件費や労力を削減し、作業の効率を向上させることができます。 - 精度の向上
AIは機械学習アルゴリズムを使用しており、時間が経つにつれて精度が向上します。
大量のデータから学習し、正確な文字起こしを行う能力が向上します。
デメリット
- 誤解釈や誤記
AIは人間のように文脈を理解することが難しいため、特定の言葉やフレーズを正確に理解できない場合があり、誤解釈や誤記が生じる可能性があります。 - 専門的な分野への適応性
専門的な分野や特定の業界の言葉や専門用語に対応することが難しい場合があります。
特定の文脈において正確な文字起こしを行うことが難しい場合があります。 - 機械学習モデルの限界
AIの精度は機械学習モデルの訓練データに依存します。
訓練データが不十分であったり、偏っている場合、精度の低下や誤った結果が生じる可能性があります。 - プライバシーとセキュリティの懸念
文字起こしには個人情報や機密情報が含まれる場合があります。
AIを利用する際には、プライバシーやセキュリティの懸念が生じる可能性があります。
特に、クラウドベースのAIサービスを利用する場合は、データのセキュリティを確保する必要があります。
以上が、文字起こしにAIを利用する際のメリットとデメリットです。
利用する際には、これらの要素を考慮し、適切な対策を講じることが重要です。
文字起こし AI サイト・ツールを選定するうえで注意すべき点
文字起こし AI のサイトやツールを選定するうえで注意する点は下記の6項目です。
- 精度・正確性
- 言語サポート
- 出入力ファイル形式
- カスタマイズの可否
- セキュリティとプライバシの保守
- 価格と利用条件
それでは各条件について詳しく解説していきます。
精度・正確性
文字起こしAIの主な目的は、音声やビデオから正確なテキストデータを生成することです。
したがって、選択するAIツールの精度が高いかどうかを確認する必要があります。
ユーザーレビューや評価、テスト結果などを調べて、精度を確認しましょう。
言語サポート
どの言語に対応しているかを確認してください。
多言語対応のAIツールを選ぶことで、様々な言語での文字起こし作業が可能になります。
出入力ファイル形式
AIツールがサポートするファイル形式も重要です。
主要な音声やビデオファイル形式に対応しているかどうかを確認しましょう。
カスタマイズの可否
文字起こしAIツールが提供するカスタマイズオプションも考慮すべきです。
特定の業界やニーズに合わせて、認識精度を改善するためのカスタマイズができるかどうかを確認しましょう。
セキュリティとプライバシの保守
ユーザーのデータをどのように扱うかは非常に重要です。
信頼できるプライバシーポリシーを持ち、データセキュリティを確保するAIツールを選ぶことが重要です。
価格と利用条件
無料で利用できるものや、有料のサービスを提供しているものなど、利用料金や利用条件を確認しましょう。
自分の予算やニーズに合ったプランを選ぶことが重要です。
まとめ
今回は、文字起こしAIをご紹介という形で、無料で使用できる文字起こしサービスを5選紹介しました。
会議の議事録作成や講義のまとめ用など、音声を文字起こしする際に活用して効率的な生活を送ってみてください。
また、文字起こしの業務を行う方は、一度無料プランでお試しして、有料プランへの切り替えも視野に入れましょう。有料プランは機能が豊富で、活用の幅が広がるものがほとんどです。
これを機に一度利用し、検討してみてはいかがでしょうか。